トクマ亭?読書・社会科学・・・
このブログは、僕が読んだ本の感想をはじめとして、社会科学について、現代の政治や経済についての意見等を書いていくつもりです。日記に関する意見などは、どんどんコメントしてください。
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倉都康行   世界がわかる現代マネー6つの視点
今日は、書評です。久しぶりに全部読んだ本です。以前から読みたいと思っていた、
金融系の本です。
それでは、目次から?

第1章  投資時代への期待と幻想ーーー資産運用の環境変化
第2章  ポスト不良債権時代ーーー銀行主導時代の終焉
第3章  経済社会を動かすファンドーーー「ファンド主義」は定着するか
第4章  米国型金融システムの揺らぎーーー強さと脆弱さの危うい均衡
第5章  多極化へ動き出すマネー社会ーーー多様化する国際経済
第6章  金融と社会の対話ーーー金融は役立っているか

          ?           $           *

題名だけからすると、しょうもないと思ってしまいがちですが、初心者が金融について知るにはうってつけの本でした。内容も難しい単語は極力使わず、丁寧に説明してくれています。出版されたのも2006年12月ですので、ほぼ現在の金融業界の状況がつかめると思います。

前半の方は、各章のテーマに沿った説明をしています。最後の5章と6章は、筆者の意見も入ってきて、おもしろくなります。(1?4章も内容的に非常に興味深いのでご心配なく。飽きたりはしないと思います)
「ドイツが敢えて『強いマルク』を捨てたのは、欧州共同体の一員として認められるためのやむを得ない外交政策であったと言えるだろう。   二度にわたる20世紀の世界大戦は、永遠に消え去ることのない欧州の傷跡である。そしてその対戦の中心国であったドイツへの不信感は完全に払拭されたわけではない。欧州共同体、そして共通通貨構想へと欧州統合に邁進したのはドイツとフランスであった。その絆を固めるためには、ドイツが大きく譲歩する必要があったのである。」

「ドイツは、マルクを放棄するための最低条件として、ユーロにこうした金融哲学の継承を求めたのである。彼らが最強通貨を諦めてまで共同体意識にこだわったのは、米国という巨大な政治経済社会に平和的に対抗するためには、どうしても労働市場の一体化や共通の通貨に基づく資本市場を擁する欧州共同体が必要だと感じたからであろう。また、それが欧州各国に挟まれたドイツが選択しうる唯一の政策だと判断したのだろう。」

これは、5章の一部であるが、共同体を構成する際の苦労を示す一文と見ていいと思う。欧州各国がどうしてそこまで共同体にこだわったのか、そしてこだわることができたのかは、政治的に見て、研究に値すると思う。

また、後半で筆者が何度となく書いていた内容。
「ドルを買うしかないとする考え方が、ドルは危ないという従来の考え方を蹴散らしているのである。つまり、ドルを警戒して売れば売りが売りを呼び、デス・スパイラルのごとく自分の首を絞めるという恐怖感は、市場にとって排除すべき概念なのである。運用の世界が、ドル売りを許容できないほどに拡大してしまった、ともいえようか。」

筆者は、この、ドルに対する不安や売りたくても売れない状況をさして、「恐怖の均衡」という言葉を用いている。これは、集団安全保障が導入される前の、勢力均衡時代の世界を類推させる。恐怖の均衡はやはり、いずれ崩れるのではないだろうか。それも、ほんとに些細な出来事によって。。。崩れないとするのは、やはり楽観論にすぎると思う。

「金利差は確かにドル高を支える一要因だが、それが本質的な問題を隠匿させてしまっているとすれば、かなり深刻な問題である。   仮にそうであれば、ドルが急落せぬように皆がドルを買い続けるしかない。   現在の世界の金融市場はまさに『ドル再生機構』と化しているかのようだ。これは『市場の死』ではないか。我々は、ドル買いを進めることによって不均衡感覚を麻痺させながら、じつは、そうした恐怖の均衡に嵌りつつあるのかもしれない。」

世界がわかる現代マネー6つの視点 (ちくま新書)世界がわかる現代マネー6つの視点 (ちくま新書)
(2006/12)
倉都 康行

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わいろ私観
仕事などで、お中元やお歳暮などをもらうことがある人も多いと思います。

僕は、バイト先で、そういったものをもらったようですが、

それを見て、さらにそれを食べて(もらったのが食べ物だったのです)、

さらに仕事に対する、意気込みや、何より“責任”を感じました。


これは、身近な話ですが、これを大きくして、悪くしたのが、わいろというものなのではないか

と思いました。お中元やお歳暮をわいろと並べるのは、論理の飛躍がありそうやし、失礼なこ

とやとも思いますが、あえて。

どちらも、何かをもらうことで、責任や相手のためにしてあげなければ、という気持ちが生まれ

てしまうのでしょう。だから、わいろを受け取ってしまうと、その成果がかなりの確率で上がっ

てしまう。賄賂の話を聞いたときに、最初に思ったのが、「別にくれるものはもらっときゃいい。

それに反応しなければいい」というものだったのですが、やはりそういうわけにもいかないので

しょうか。

それならば、対策方法は一つです。わいろをもらえないように、システム構築することです。

人は、何か成果をあげると、それに対する対価を得られるから、さらにその次も頑張れるという

ことがあると思います。逆に、(僕みたいに)そうでなければ、大きな成果は上げられないので

はないかと思います。

仕事には、人の気持ちが介入し、それは止めることができない。そうすれば、直すべきは、組

織ということになるのではないでしょうか。




あまりにも、私観なため、不愉快に感じられた方が、いらっしゃいましたら、お詫び申し上げます。

テーマ:時事 - ジャンル:政治・経済

万能細胞の開発について

先日、京都大学の山中教授がiPS細胞の開発に成功した。
この万能細胞は、人間の皮膚から作ることができるということで、
以前の万能細胞で存在していた、安全性や倫理上の問題も解消され、
医療面での発展が非常に期待されている。
  

万能細胞の研究については、大韓民国の黄教授の論文ねつ造問題によって、
下火になっていた感があるが、山中教授の功績は非常に大きなものだと思う。

こういう大きな発見を日本で行えたというのは、従来日本が目指してきた、
「科学技術立国」という目標に一歩近づいたのではないかとおもう。

ここで問題になってくるのは、行政・政府の対応。
この大発見に、アメリカ政府は即日支援を発表した。
日本政府もしばらくして、予算を融通して、支援を発表した。
(→「万能細胞」国が支援、再生医療実用化へ5年で70億円とか万能細胞、再生医療研究を加速 文科相を参照のこと)

この対応は良かったと思う。金額が妥当なものなのかはわからないが、即座の決断は評価できる。この技術の開発によって、山中教授らはノーベル賞の候補にあがり、受賞するかもしれない。しかし、それで満足するのではなく、その分野の研究を積極的にすすめて世界をリードし、また、医療への応用も実現して実際に役立てるようにし、経済効果も考えるべきである。

なぜか、いままで日本の行政はこうした対応が遅かった。一般人の僕でも思いつくことなのだから、官僚が気づいていないわけはないと思うが、これからもより迅速な、そして効果ある対応を望みたい。


テーマ:医療・健康 - ジャンル:ニュース

日本の外貨準備を考えてみると・・・
昨日、あるテレビ番組、いわゆるWBSですが、まあそれで、
「日本の外貨準備の運用」という特集をやってました。

外貨準備というと、まず思い出すのは中国でしょうか。

また、最近話題の政府系ファンドも思い出されます。
アブダビ投資庁なんかはその典型ですよね。


ところで、日本の外貨準備高はいくらか。昨日出ていた数字(2次情報ですみません)では、

約100兆円

らしいです。

政府系ファンドの進出が目覚ましいからか、日本でも外貨準備の運用の再検討を始めるべきと、前内閣のときに言われていたのです。

これは、まあ、いい話なんですが、問題もあります。

外貨準備を運用するということは、これはつまりドル売りを意味してしまうわけです。


日本はじめ、先ほどの中国、さらには各国の政府系ファンドは、外貨準備の大部分をドルで保有しています。また、所有形態は大部分が?外国債?預金でそのほかに?金などがあります。つまり、今まで持ってたこれらのものを売却したりして、別のところに投資するというわけです。

そうすれば(今まで持っていたものを売ってしまうと)、ドルを売ることになり、それがドルの暴落を招く可能性が生じてしまうわけです。

ドルが暴落すると、まだ売っていないドル建ての外貨準備が目減りしてしまい、結局損になってしまうのです。こういう問題があります。

これは、日本だけじゃなくて、市場に大きな影響力を与えるほど巨額を保有する国やファンドにも当てはめられることで、政府系ファンドの話しで、中国がやけにおとなしいのもこの理由のためというのもあるでしょう。

しかし、これは考え方を変えれば、大きな外交カードに変身するのではないでしょうか。
むろん、対アメリカに対して。

ドルが暴落すると困るのは日本だと書きましたが、もっとも困るのは当事者のアメリカです。これをちらつかせて、要求を求めるということもできるでしょう。
さらに、今の世界情勢では、ドル売り→→?¥買い?€(ユーロ)買い
では、おそらく(悲しいことですが)世界の投資家は?を選択するでしょう。
ユーロ買いが進むことで、ユーロ高になることを考え、EUの輸出産業のダメージを考えると、
これは、EU諸国に対するカードにもなりえます。

ただ、しかし、こんな世界中から恨まれそうなこと、日本にできますかねぇ…

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